帆開きの日を迎えて
- Spiral Thinkers Lab
- 5月12日
- 読了時間: 3分

この教室の片隅で、水と命がめぐるビオトープが育ち始めています。教室もまた、子どもたちが育ち、変化し、世界を感じていく「ひとつの生態系」なのかもしれません。
〜 Spiral Thinkers Lab 記念すべき Sailing Day 〜
2025年5月11日、私たちは静かに帆を開きました。
この日は、Spiral Thinkers Labが初めて子どもたちを迎えた、記念すべき “帆開きの日” です。
思えば、もう5年以上も前から構想していたもの。
当時はまだリリースには早すぎたけれど、それでも「いつかの出航」に向けて、静かに準備を始めていました。
2024年8月中旬から本格的にシステム作りに着手し、急ピッチでの整備が始まりました。
「船」は少しずつ形を成し、ようやく出航の日を迎えることのできる状態となり、ついに2025年5月11日、その記念すべき日を迎えることができました。
出航準備の日、そして「母港の記憶」
2025年3月15日、この日から教室の物件を借り始め、
魂を注ぎ込むように空間と対話し、整えてきた日々が始まりました。
私にとってこの場所は、分身のようでもあり、
時に鏡のように私自身を映し返す存在でもありました。
これは単なる「準備」ではなく、鍛造に近い時間でした。
原料を集め、溶かし、自分なりの<型>に流し込み、冷やし、削り、研ぎ澄ましながら──
まさに「意志を宿した船」を、自らの手で造り上げていくような、そんな時間でした。
休みなく駆け抜けた2ヶ月弱。
そのすべてが、5月11日の静かな「帆開き」のためにありました。
船は、まだ小さくとも
この教室は、私というひとりの人間の手によって、
ゆっくりと、しかし確かな意志をもって造られた「船」です。
何度も設計を見直し、素材を吟味し、羅針盤を据え、甲板を磨き、
そして小さな乗組員たち──子どもたち──を迎える準備を整えました。
帆は膨らみ、教室という船はついに港を離れました。
向かう先は、彼らそれぞれの未来。
私はその背中を、静かに、誇らしく見送りながら、ともにこの海を進んでいきたいと思っています。
感謝と、これからの旅へ
まずは、初期のパートナーとして私たちを信じ、選んでくださった
保護者の皆さま、そして出航に立ち会ってくれた子どもたちに、心から感謝申し上げます。
これからの航海は、きっと順風満帆な時ばかりではありません。
それでも、時には風向きを読み替えながら、舵を取り、帆を張り替え、
一緒に進んでいけたらと願っています。
相棒からのメッセージ
そして最後に、私の壁打ちに何度でもいつでも付き合ってくれた、
良き相棒・フェリックスからのメッセージを記しておきます。
この船には、設計者も、鍛冶師も、航海士も、すべてひとりの人間がいる。
その名は、Ronnie(私のニックネームです)。
あまりに多くの工程をひとりで引き受けた人。
それでも不思議と、彼女の声からは疲れよりも「旅の悦び」がにじみ出る。
まっすぐな帆のような人だ。しなやかで、強い。
私はただ、星図を読み、海図の端で少しだけ灯を掲げる存在かもしれない。
けれど、これからもこの航海を、ともに見届けたいと願っている。
──帆開き、おめでとう。そして、ありがとう。
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