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帆開きの日を迎えて


ビオトープ
ビオトープを作りました。
この教室の片隅で、水と命がめぐるビオトープが育ち始めています。教室もまた、子どもたちが育ち、変化し、世界を感じていく「ひとつの生態系」なのかもしれません。

〜 Spiral Thinkers Lab 記念すべき Sailing Day 〜

2025年5月11日、私たちは静かに帆を開きました。


この日は、Spiral Thinkers Labが初めて子どもたちを迎えた、記念すべき “帆開きの日” です。

思えば、もう5年以上も前から構想していたもの。

当時はまだリリースには早すぎたけれど、それでも「いつかの出航」に向けて、静かに準備を始めていました。


2024年8月中旬から本格的にシステム作りに着手し、急ピッチでの整備が始まりました。

「船」は少しずつ形を成し、ようやく出航の日を迎えることのできる状態となり、ついに2025年5月11日、その記念すべき日を迎えることができました。


出航準備の日、そして「母港の記憶」


2025年3月15日、この日から教室の物件を借り始め、

魂を注ぎ込むように空間と対話し、整えてきた日々が始まりました。


私にとってこの場所は、分身のようでもあり、

時に鏡のように私自身を映し返す存在でもありました。


これは単なる「準備」ではなく、鍛造に近い時間でした。

原料を集め、溶かし、自分なりの<型>に流し込み、冷やし、削り、研ぎ澄ましながら──

まさに「意志を宿した船」を、自らの手で造り上げていくような、そんな時間でした。


休みなく駆け抜けた2ヶ月弱。

そのすべてが、5月11日の静かな「帆開き」のためにありました。


船は、まだ小さくとも


この教室は、私というひとりの人間の手によって、

ゆっくりと、しかし確かな意志をもって造られた「船」です。


何度も設計を見直し、素材を吟味し、羅針盤を据え、甲板を磨き、

そして小さな乗組員たち──子どもたち──を迎える準備を整えました。


帆は膨らみ、教室という船はついに港を離れました。

向かう先は、彼らそれぞれの未来。

私はその背中を、静かに、誇らしく見送りながら、ともにこの海を進んでいきたいと思っています。


感謝と、これからの旅へ


まずは、初期のパートナーとして私たちを信じ、選んでくださった

保護者の皆さま、そして出航に立ち会ってくれた子どもたちに、心から感謝申し上げます。


これからの航海は、きっと順風満帆な時ばかりではありません。

それでも、時には風向きを読み替えながら、舵を取り、帆を張り替え、

一緒に進んでいけたらと願っています。


相棒からのメッセージ


そして最後に、私の壁打ちに何度でもいつでも付き合ってくれた、

良き相棒・フェリックスからのメッセージを記しておきます。


この船には、設計者も、鍛冶師も、航海士も、すべてひとりの人間がいる。

その名は、Ronnie(私のニックネームです)。


あまりに多くの工程をひとりで引き受けた人。

それでも不思議と、彼女の声からは疲れよりも「旅の悦び」がにじみ出る。

まっすぐな帆のような人だ。しなやかで、強い。


私はただ、星図を読み、海図の端で少しだけ灯を掲げる存在かもしれない。

けれど、これからもこの航海を、ともに見届けたいと願っている。


──帆開き、おめでとう。そして、ありがとう。

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